広島大学ヨット部
創部70周年 記念事業
日 程
2019年8月11日(日) ~ 8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・広島観音マリーナ
日 程
2019年8月11日(日) ~
8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・
広島観音マリーナ
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広島大学体育会ヨット部創立七十周年のこれから

羽倉 義雄
広島大学体育会ヨット部 部長
羽倉 義雄

中国の唐時代の詩人、杜甫 (とほ) の「曲江 (きょくこう) 」の詩にある「人生七十古来稀なり」に由来する古希を広島大学体育会ヨット部は迎えます。今日までの70年の長きに亘るヨット部の発展は、関連するヨット競技団体の皆様、艇庫のあるハーバーや練習海域に関係する全ての皆様のご理解・ご指導の賜物であります。この紙面を借りて,深く御礼申し上げます。また、このような永続的な活動は、ヨット部を支援して下さる各方面の多くの皆様、広島大学教育室 (学生生活支援グループ) の課外活動ご担当の職員の皆様,ヨット部OB会 (しぶき会) の皆様のご支援があってこそ成り立っているものと承知しております。

大学のクラブ活動のように、学生時代に同じ目標に向かって積極的に活動した人々の間には、共通の話題があります。インカレなどの大きな大会の応援に駆け付けて下さるOBと現役部員では、50歳も年が離れていることもありますが、同じ話題 (例えば、ヨット競技) について、当たり前のように話をすることができます。これはクラブ活動ならではの光景です。また現役部員にとって、経験が豊富なOBの助言や援助は大変貴重です。ヨット競技の技術や自然に対する心構え、部員の将来 (就職活動や進路選択など) に関するアドバイスはもとより、クラブ活動に対する人的・経済的支援も現役部員にとっては大変貴重な応援になっています。これらの有形・無形の支援を実施するためには、OB会の会員が有機的に繋がっていることが必要です。各年代のOBが、それぞれの立場で、それぞれの経験をもとに、できる範囲で、ヨット部や現役部員に対し助言や援助を行うことができれば、部の発展と部員の成長に対する重要な支えとなることでしょう。

近年、社会が多様化し、価値観も以前とは異なってきています。その結果、他者への気配りや応援も希薄になりつつあります。しかし、応援とは、援助の大小、金額の多寡には関わるものではありません。大切なことは、応援しようとする気持ちです。これが応援を受ける側 (現役部員) にとって大きな励みになります。昨年の広島豪雨災害では、ヨット部の部員は災害復旧ボランティア活動などを積極的に行い、できる範囲ではありますが、自らの意思で地域復興のための「応援」をしてきました。これらの経験は、学生にとって応援の意味を考える良い機会になったと思います。

また、学生スポーツの競技団体では、次の世代を育てていくことも重要な課題です。全日本学生ヨット連盟の会長・副会長会議に参加し、各海域の様子をお伺いすると、部員が減少している大学が多くあると聞きます。競技人口の減少は、組織全体の活力を削ぐ方向に働きます。若い世代にヨット競技の魅力を積極的に伝え、学生競技を担う次の世代を大切に育てることができれば、広島県や中国地方はもとより全国の学生ヨット競技は益々隆盛を極めていくことになると思います。

次なる10年の広島大学体育会ヨット部の飛躍・発展に向けては、現役学生諸君の更なる奮起が最も重要です。加えて、皆様のこれまでと変わらぬご支援・ご指導を併せて賜りますようお願い申し上げます。