広島大学ヨット部
創部70周年 記念事業
日 程
2019年8月11日(日) ~ 8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・広島観音マリーナ
日 程
2019年8月11日(日) ~
8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・
広島観音マリーナ
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ハンザクラス世界大会開催

渡 貞雄
2018ハンザクラスワールド実行委員会 実行副委員長 (S36年入学)
渡 貞雄

広島大学ヨット部創部70周年おめでとうございます。

ヨット部は1949年、私がまだ6歳の時に誕生し、今日まで脈々と受け継がれてきたことに敬意を表するとともに、時の流れの速さにただ驚くばかりです。70年の歴史で培われたものには何物にも代え難い重みがあると思います。現役部員の皆さんはぜひ、この機会にこれまでの歩みを振り返ってみて、これからの活動の糧としてもらいたいと思います。

さて、ハンザクラス世界大会のことです。私は昭和36年入学のしぶき会会員の一人ですが、現在広島県セーリング連盟の副会長として微力ながらもセーリングの普及活動に関わっております。また2007年に誕生した障がい者ヨットの会(あびの会)の会長を務めております。社会が多様化し、多くのことで価値観の違いを認め合う時代になってきました。観音マリーナでの活動も例外ではなく、将来を見据えたより幅広い取り組みが必要になってきました。
そんな中、我々が注目したハンザクラスヨットは、極端に重いセンターボードを装着した安全でユニバーサルなヨットのため、年齢や障害などの垣根を越えて挑戦することが可能です。今の時代に求められている共生社会への取り組みに適しており、さらには国際平和祈念都市ヒロシマの発展にも重要な役割を果たすと考えるに至りました。

2016年オランダで開催された第4回の大会を視察後、正式に開催地に立候補し、アジアでは初の第5回ハンザクラスワールド&インターナショナルチャンピオンシップの広島開催が決定しました。私は実行委員会の中でつぶさに経緯を見てきましたが、わずか2年半の準備期間の中でこの大イベントを成功させたそのエネルギーにはただ驚くばかりです。

これは広島県セーリング連盟会長である山根恒弘実行委員長の下、しぶき会と各大学OBとが中心になって、綿密な計画を立て実行した成果であります。ただ準備期間中の苦労は並大抵ではなく、予算のこと、寄付金集めのこと、施設改修のこと、海外からのヨットの移送のこと、宿泊施設のこと、W/C選手の移動のこと、広報活動のことなど、膨大な問題に頭を悩ませながらも各担当者が一つ一つ細かく取り組み準備を進めました。

大会は「命輝け!ヒロシマから世界へ」をスローガンに、2018年10月11日から18日まで、世界24カ国、185名が参加し、観音マリーナで開催されました。開会式には大会名誉会長の岸田文雄自由民主党政調会長をはじめ、湯崎英彦広島県知事、松井一実広島市長、経済界、政界、教育関係と大変多くの方々にご列席賜り、関心の深さが伺えました。約600人の大会関係者、来賓、一般参加者の前で、あびの会の大和なゆたさん、佐々木亮君がそれぞれ堂々と開会宣言と選手宣誓を行い、感動を与えました。

また、ミッドウイーク・パーティーではオーストラリアチームのエイミー・バムブルックさんの足の指を使ったトランペット演奏「アメイジング・グレイス」が披露され、その素晴らしい音色に大会参加者は言葉にならない程胸を打たれました。いずれも選手主役の大会の演出に相応しいものあったと思います。

4日間素晴らしい天候に恵まれ、3種のヨットを使った4クラスの白熱した競技が展開されました。防波堤の観覧席で、一般参加者のためにレース展開の解説を行ったことは、大変好評でした。表彰式では各クラス3位までの入賞者に折り鶴の形のトロフィーが贈呈されました。表彰のたびに各国選手団から大歓声が起こり、みんな満足感一杯の笑顔で最後の時を楽しんでおりました。新しい友情が生まれ、絆はさらに深まったものと思います。最後に山根恒弘実行委員長から次回開催予定の米国ニューポートビーチ準備委員会のスティーブ・ベンダー代表に大会旗が手渡され、全ての行事は終了しました。

大会を通じて我々は大変多くのことを学びました。これからも試行錯誤を繰り返しながらより実りある活動にしていきたいと考えております。