広島大学ヨット部
創部70周年 記念事業
日 程
2019年8月11日(日) ~ 8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・広島観音マリーナ
日 程
2019年8月11日(日) ~
8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・
広島観音マリーナ
MENU
TOP

相模湾で楽しむクルーザーライフ

関東しぶきセーリングクラブ (33年)
田坂 克彦

まずは、広島大学体育会ヨット部の創立70周年にあたり、これまでヨット部に情熱を傾けてこられた諸先輩や皆様方に心から感謝を申し上げます。

-江の島インカレがきっかけでクルーザーに発展-

さて、われわれ関東在住のヨット部OB有志は瀬戸内海を遠く離れた相模湾で外洋クルーザー<ABI>に乗りダイナミックで快適なヨットライフを楽しんでいます。艇の名前の<ABI(阿比)>とは広島県の県鳥の名前で、その由縁は、相模湾にあっても広島のこと、また青春時代お世話になった瀬戸内海を忘れられないでいる、ということです。

艇種はベネトウ ファースト31.7(フランス製)。その名が表すように長さ31フィート、定員は12名。2003年に進水したFRP製。泊地は三浦半島の小網代湾に繋留し、日本でも最も古い歴史という小網代ヨットクラブ(KYC)に入れてもらっています。

どうしてクルーザーを持つようになったのか、話は2011年に江の島で開かれた全日本インカレにさかのぼります。当時インカレ参加の多くの大学ではOBたちが自前のクルーザーを江の島に浮かべ、応援や参加選手のサポートに大活躍していました。それに比べて広大の応援艇は山床清君(40年)のお世話でチャーターした一般の船。その差は歴然です。関東にいるわれわれはクルーザーも用意できなくて申し訳ないとの思いを強くしました。江の島インカレ終了時の懇親会で、私はアテもないのに「次回の江の島インカレでは関東のOBもクルーザーで応援するから」と公言してしまいました。それがキッカケで、本気でクルーザー入手のための発起人会が立ち上がり、山床君、大中和茂君(51年)、赤井寛君(53年)の3人に私も加わり、艇や泊地の選定などの検討を開始しました。

ある時は広島の河田洋二先輩から売りに出ている艇があると聞き、大中君と赤井君が広島まで足を運ぶなど、情報収集に当たりました。しかしそれも限界があり一時計画は座礁しかけましたが、脇田武君(36年)が親しくしている方で、広島とも縁のあるベネトウ日本総代理店のファーストマリン株式会社の関口徹夫社長と接点ができ、関口氏の協力を得て今の艇に落ち着くのですが、決定までにはかなりの紆余曲折がありました。

一方、クルーザーには泊地も重要ですが、関東で30フィートクラスの艇をマリーナで保管すれば、年間150万円程度の経費は常識です。この難題も関口氏のおかげで格安に、しかも日本で最も由緒ある小網代湾に落ち着くことができました。

そしてついに2013年には次の10人が共同オーナーとなり、念願のクルーザーを実現。2015年の江の島インカレでは公言通り<ABI>艇でのレースサポートや応援が果たせたという次第です。

-クルージングが中心だがゆくゆくはレースにも-

メンバーは全員広大ヨット部に所属した人たちで、今の住まいは東京、神奈川、千葉、栃木など、関東地区。従って会の名称は関東しぶきセーリングクラブ。その10人は赤井君、大中君、脇田君、三浦憲政君(51年)、尾園修治郎君(51年)、鋤納康治君(50年)、澤田実君(47年)、小谷昌夫君(38年)、代表の三谷脩君(36年)、そして名ばかりの会長の私です。さらに遠距離会員として広島の柚木衛しぶき会々長、小川九二雄君(34年)にも加わってもらっています。

どういう活動をしているかを紹介します。この小網代湾、通い始めると素晴らしいロケーションで、西には海の上に富士山が浮かぶ風光明媚な所。舫いを外して15分も走れば雄大な相模湾に出ます。そこから西に走れば伊豆半島の熱海や伊東、南に行けば伊豆大島をはじめとした伊豆七島、東に向かうと城ケ島を抜け東京湾を横断して房総半島。クルージングには事欠きません。概ね8メートルの良風に恵まれ、雄大な海原で快適なセーリングを楽しんでいます。

普段の活動は主に土曜日で、集まったメンバーで月2回程度の相模湾デーセーリングが主体です。所属する小網代ヨットクラブは毎月レース(小網代カップ)を催しています。このクルーザーのレースにも魅かれますが、人数集めに苦労し残念ながらまだ数回の出場にとどまり、定期的には参戦していません。レース経験者を中心に力をつけ取り組んでいくつもりです。

相模湾は瀬戸内海と違い、時には巨大な波やうねりにもまれることもありますが、実に豪快なセーリングが楽しめます。そんな時、<ABI>はするりと波に乗り、海面を滑って飛ぶようなセーリングを味わわせてくれます。また年2回ほど房総半島や伊豆半島への泊まりがけのクルージングに出掛け、年1、2回は家族サービスを兼ねたファミリーディを設け、ショートセーリングの後はクラブハウス2階テラスで1品持ち寄りのランチパーティーを行っています。さらに春は油壺湾内に繋留し山桜を眺めながらのお花見、神奈川県指定の自然公園・小網代の森を散策と、皆さんと共に非日常的な憩の場を楽しんでいます。また都内で千鳥ヶ淵の桜を楽しむこともありました。

クルーザーに整備は欠かせません。春先には近くのマリーナに上架し、全員で船底を磨いたり、船底塗料を塗ったりと、年1回1泊2日の合宿形式で艇の整備をします。これも楽しみの一つ。またオフシーズンに入るとゴルフのできるメンバーは年1回朝霧ジャンボリーGCで富士山を目の前にした泊まりがけでのゴルフツアーを楽しんでいます。

以上、クルーザーライフのほんの一端ですが、相模湾は本当に最高です。私自身、ヨットのおかげでそれまで知らなかった相模湾や三浦半島の魅力のとりこになりました。興味ある方ぜひ一度お越しになりませんか。万難を排してアテンドいたしますので、ぜひご連絡ください。心からお待ちします。