広島大学ヨット部
創部70周年 記念事業
日 程
2019年8月11日(日) ~ 8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・広島観音マリーナ
日 程
2019年8月11日(日) ~
8月12日(月・祝)
場 所
広島市文化交流会館・
広島観音マリーナ
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関東ヨット奮戦記

中島祥互
広島大学体育会ヨット部 第55代主将 (2007年卒)
中島 祥互

この度は広島大学ヨット部70周年とのことで、心よりお祝い申し上げます。長い歴史、輝かしい実績の数々は、ひとえにここまで長い歴史を紡いでいただいた諸先輩方のご尽力と、卒業後の並々ならぬご支援、そしてその期待を一身に受けてセーリングに取り組んできた現役部員、皆様の結束の賜物と存じます。私もOBの末席ながらしぶき会の益々の発展、また広島大学ヨット部のインカレでの活躍をお祈りしております。

さて、ヨット部70周年にあたり、寄稿のご依頼を頂戴しましたので、ヨット部卒業後のセーリングというテーマで寄稿させていただきます。

まずは自己紹介ですが、2003年入学、2007年卒業の中島祥互と申します。現役時代は470チーフと55代の主将を務めさせていただきました。現在、大学を卒業して12年がたつのですが、ディンギー(シーホース)とクルーザー(ミニトン) の2つのチームに所属し、毎年全日本の大会を目標として競技を続けております。

もともと、大学卒業のタイミングで上京した際には積極的にヨット競技を続けようとは思っておらず、たまにヨットに乗れると良いなと思っていた程度でした。しかし、上京してぶらぶらと休日を過ごしていた際に、しぶき会の先輩の筒井利昌さん(1998年卒)が所属されている伊藤忠商事のヨット部でレースメンバーが足りないとお誘いいただき、初年度からいきなりレースメンバーとしてシーホース級ヨットの全国大会に出場することになったのでした。

お誘いいただいて練習から参加したのですが、ヨット部を引退して半年ぶりに乗るディンギーは爽快そのものでした。江ノ島フリート開催の年間ポイントレースと、秋の全日本大会を目標として活動していたのですが、毎月のポイントレースで少しずつ勘を取り戻し、筒井先輩と出場した初年度の全日本選手権で、いきなりの4位入賞をすることができました。そこからはあまり成績が振るわないものの、毎年レースメンバーとして参加させていただいております。シーホース級は実業団のスナイプ級や470級ほど競技志向ではなくアットホームな雰囲気で、企業ヨット部を中心に、20代から60代まで幅広い年代のセーラーが日々レースを楽しんでいます。富士通チームには石川常義さん(1983年卒)や松井正徳君(2009年卒)も参加されています。

また、2012年のシーズンより、ミニトン級のクルーザーのチームでも活動を開始。こちらもしぶき会の先輩、宇根昭博さん(1986年卒)にお誘いいただいて参加するようになりました。今は宇根さんからヘルムスマンを引き継ぎ、先輩の土山繁己さん(1987年卒)や後輩の丸山(藤野)文さん(2010年卒)、山口大学の学連ヨット部出身のメンバーと一緒に、『隼スピリットⅡ』という22フィートの軽量級スポーツクルーザーで東京湾のレースに参加しております(今年のKazi誌8月号に特集されました!もしかしたらご覧いただいた方もいらっしゃるかもしれません)

10年以上、レジャーと競技の間くらいの熱量でヨット競技を続けておりますが、非常に充実した趣味、ライフワークとなっております。

  1. 日々の仕事のタスクやトラブルやストレスで頭がいっぱいになっていても、いざ風を受けて帆走していると頭を空っぽにしてセーリングに集中できる。そしてレースが終わってビールを飲むとストレスは雲散霧消している。精神のデトックス効果最高。
  2. 社会人のヨットマンは皆紳士的で、インカレのマーク際のような阿鼻叫喚の怒号合戦はほとんどなく、譲り合いの精神で楽しくレースできる。紳士のスポーツ最高。
  3. セーリングの技術やストラテジーは社会人になってからも伸ばすことができる。現役時代に手も足もでなかった強豪大出身者やプロセーラーとも同じ土俵で戦えるようになる。いつまでもある伸び代最高。
  4. 幅広い年代、まったく違う業界の会社に勤める人々が同じスタートラインに並び、風が吹けば20代でも60代でも一生懸命にハイクアウトしてシートを引き、それが平等に推進力になる。自由で平等で最高。
  5. レース以外でも会社を越えて交流が広がり、毎年スキーやバーベキュー、キャンプなど家族ぐるみの付き合いが増えていく。仲間が増えて最高。

こういった最高なセーリングというスポーツですが、残念ながらヨット部卒業と同時にヨットも卒業してしまう部員が多いのも事実です。ただ、多くの社会人ヨットチームはクルー不足に悩んでおり、学連で経験を積んだOBOGの参加を手ぐすね引いて心待ちにしております。私は幸運なことに、しぶき会に繋いでいただいたご縁により、10年以上ヨット競技を続けることができております。これをご覧のOB・OG・現役の皆様、ヨットは生涯スポーツです。またあの輝かしい広島湾の日々を取り戻そうではありませんか(若輩者が偉そうにすみません)。もし卒業したばかりのOBや、今後関東に上京を予定している現役のメンバーでセーリングを続けたいという方がいれば、ヨットのできる環境を紹介させていただきます。

今後もヨット部OBの繋がりがより活性化し、80周年、100周年を迎える際によりセーリング人口が増え、生涯スポーツとして楽しむOB・OGがもっと増えることを期待しております。